私はよく時計を見る。
私はよくカレンダーを見る。
時間や日付や曜日を確認する。
今はいったい何時か。あの約束は何日か。
10年前。
私はたしかに違う街に居たはずだ。
2ヶ月間、さまざまを見聞きして、さまよい、考えていたはずだ。
10年前の出来事。
今となっては確証は無い。
10年前に作った作品に聞いてみる。
10年前の写真を見て、10年前の風景を描いてみる。
時の観念とは本当のところなんなのか。
人間の決めた便利な発明?それとも不便な足かせ?
過去と未来、その境目に立つ現在。
生きれば生きるほど、より一層不可思議な感覚が私をとらえていく。
10年前。
多分この世に生まれていなかった子供たちが、冬の寒い公園で走りまわっている。
10年後。
この子供たちは、寒い公園で走り回った現在を、覚えているのだろうか。
1995年から発表を始めて今回で19回目の個展です。
私はどこから来てどこに行くのか。生命の不思議を考えながら制作を続けています。
油絵の具やアクリル絵の具、段ボール、キャンバスなどを使って、平面、立体、
気の向くままに日々制作してきました。
手のひらに空や宇宙をつかめたら。
空にりんごが浮かんでいたら。
日々の暮らしの中で、ふと違うチャンネルで物事を考えてみると違うものが見えてくる。
そういうものに囲まれてみるといったいどうなるのか。
皆さんに見ていただきながら私も一緒に体験していきたいです。
東日本大震災で、大変な苦労を強いられている人々を思うと、
自分の無力さに苛まれる気持ちもありました。
そんな時、私は空を描き続けていました。そしてこの空を人々に届けたいと思いました。
イツデモソラは、空をいつも見ていたい気持ち、どんな時も空の下に今現在、
生きているのだと言う事を今回の個展のテーマにしました。